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読書のススメ~やすらぎの住居学つづき~

前回のブログの続いて”やすらぎの住居学”から

2章日本人の住まい方では、「日本の気候風土の中で日本人たちがいかにしてどのような家をつくってきたかを知ることで、現在でもよりよい住まいづくりの近道となる。」ということで、和風の発想を紹介しています。

多目的に使えるのは単純な家

日本の住宅は一つの部屋をきわめて多目的に使ってきた。食事をし居間として歓談し、寝具を敷けばそのまま寝室になる。

要するに部屋を時間のシークエンスによって使い分けてきたのである。

日本の家は、戸、障子、ふすまなどで空間を仕切ったり区切ったりして生活空間をつくってきたのである。戸やふすまを全部とりはらうと、家中が一つの大きな部屋になり、昔は冠婚葬祭や寄合の場とした。

 

住まいには間が必要

茶の間、床の間など、すなわち一見ムダな空間をもつことで、非常に狭い空間の中に宇宙を感じるような教養、文化をつくったのである。

日本の住まいのなかの「間」というものは、無限の広がりを持つようなムダであり、この無駄のあるところが日本の住まいのよさになっている。

現代の住まいを考えるとき、この「間」の役割を忘れないでほしい。

茶の間の復権を考える

茶の間は単なる食事室でもないし、単なる茶室でもない。しいて定義すれば、家族の団らんの場であるとしかいえない。

家族が集まってなごやかに楽しみ合うこと。ただ単に家族が温かく一緒にいるという雰囲気は、東洋的な家庭観からくるものでありだんらんという言葉だけでは説明できないものもある。

◇かつて日本の家はパーティー空間だった

日本の伝統的な住まいは、間仕切りを取り払うことによって、広い空間をつくりだし、パーティーやセレモニーを開くことができ、屏風や衝立で広い部屋を狭く使うこともできた。その自由自在の部屋は、同時に家族全員がくつろげる場所でもあった。

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軒や庇にも深いわけがある

日本家屋の屋根と庇は、大量の雨と太陽をコントロールする装置をいってよい。勾配の急な屋根は何千ミリという雨をこなしてくれる。軒の出具合は、夏には日中の太陽が室内に入り込みことを防いでくれると同時に、冬の太陽が十分に座敷の奥まで差し込むよう設計されているはずである。

縁側は部屋の中?それとも外?

気候風土が温和なため、通風さえしておけば暮らしやすい。日本の建築は、縁側で屋内と戸外の空間をオーバーラップさせている。

だいたい日本の気候は、風雨の日と冬の数週間をのぞいたら、戸外で暮らしたほうが快適なのだ。

 

我が家はコンクリート造の集合住宅ですが、上階のバルコニー張り出しが深い軒の出のようになっています。

急な雨の時でも洗濯物が濡れず、大変重宝に使っています。

「間」、襖、縁側、軒や庇など、あなたの家づくりにも、和の発想を取り入れてみませんか?

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